日本におけるブータン研究の基盤形成を目指して
Japan Institute for Bhutan Studies: JIBS

建国記念の日、そのとき早稲田は

早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター助教 平山雄大

日本の「建国記念の日」は2月11日です。古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇の即位日(旧暦で紀元前660年1月1日)を新暦に換算したもので、かつては紀元節と呼ばれていた国民の祝日です。

一方、ブータンの「建国記念の日」(ナショナル・デー)は12月17日。初代国王の即位日です。今から110年前の1907年12月17日に、地方豪族だったウゲン・ワンチュクがプナカ・ゾンで初代国王として即位し、それまで戦国時代のような様相を呈していたブータンは、世襲制の国王が統治するブータン王国となりました。

毎年12月17日には各地でナショナル・デーを祝うイベントが開かれ、国王の演説や国家功労者の表彰、伝統舞踊の披露やスポーツ大会等が行われます。外国でもお祝いのイベントが開催されます。日刊紙クエンセル(Kuensel)には、ブリュッセルでブータン大使館が主催したレセプションの様子(※1)や、ニューヨークで国連ブータン政府代表部が主催したレセプションの様子(※2)が掲載されました。

東京では、早稲田大学の3号館で「BHUTAN DAY 2017」というイベントが開催されました。主催は、日本ブータン友好協会という1981年に設立された由緒ある団体です。同協会はこれまでもナショナル・デーに合わせてシンポジウムやパーティを開催してきましたが、今年は講演、映像上映、ブータン人留学生による日本語スピーチコンテストを主軸にしたイベントを企画し、実行委員会が中心となり約半年前から準備を重ねてきました。

ブータン王国オリンピック委員会スポーツ親善大使の為末大氏による講演

講演のテーマは「スポーツの可能性」

国王の演説の同時中継(別室にて)

ブータン人留学生と交流する大学生

休憩中のお茶会

日本語スピーチコンテスト

伝統楽器の演奏

熱唱!ブータン・ソング

この日のために早稲田に集結してくれたブータン人留学生たち

イベントは全体を通して大いに盛り上がり、良いナショナル・デーのお祝いになったように思います。現在、早稲田にはブータン人留学生が2人在学していますが、この日は彼女たちの他にも、関東に位置する大学や日本語学校に通う合計20人もの留学生が集いました。構内に20人もブータン人がいるなんて、長い早稲田大学の歴史の中でも初めてのことではないでしょうか。

早稲田は、他にも日本ブータン学会や日本GNH学会の研究大会、日本ブータン研究所が主催する「日本ブータン研究会」及び「ブータン勉強会」、日本ブータン友好協会が主催する「ブータンサロン」、日本ブータン刺繍協会が取りまとめる「ブータンフォーラム」、教育・総合科学学術院教育会による「ブータン教育講座」…と、特にここ数年は様々なブータン関連イベントの舞台になっています。2018年も楽しい催しが目白押しの予定だとか。乞うご期待!

※1 http://www.kuenselonline.com/national-day-celebrated-in-belgium/
※2 http://www.kuenselonline.com/national-day-celebrated-in-new-york/

WAVOCブータンコラム「助教 平山のブータンつれづれ(第12回)」より転載。
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2017/12/25/3088/