日本におけるブータン研究の基盤形成を目指して
Japan Institute for Bhutan Studies: JIBS

インド料理に舌鼓

早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター講師 平山雄大

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。ならぬ、国境の短いゲートを抜けると印国であった…。インドと国境を接するブータン。国境を越えたインド側の町は、もちろんインド料理屋さんだらけです。

 

ハティサル※1の素朴なインド料理屋さん

 

 

グワハティ※2のアッサムカレー専門店のターリー

 

しかし、ブータン国内にも美味しいインド料理屋さんはたくさんあります。大きな町にはたいてい「この店のカレーは間違いない!絶品!」というお店がありますし、南部の国境の町なんかはもうより取り見取り状態。他にも、インド人旅行者の利用が多いホテルの朝食は完全インド風になっていたり、インド軍事訓練チーム(Indian Military Training Team)関連の施設や水力発電所などインド人の出入りが多いところには純インド喫茶が併設されていたり、インド料理の存在感はかなりのものです。

政治も経済も防衛も外交も、インドとの関係性なしには語れないブータン。たまには国内のインド料理屋さんに焦点を当ててみても良いかもしれません。

例えば、プンツォリンのゾムキー・レストラン(Zomkey Restaurant and Bar)。インドとの国境ゲートから徒歩3分ほどの好立地で、毎日朝9時から22時30分まで開いている人気店です。スタッフは全員インド人。優に150品を超える豊富すぎるメニューが壮観すぎます。よく見たらエマダツィ(唐辛子のチーズ煮込み)※3をはじめとするブータン料理も6品ほど。

 

豊富すぎるメニュー!選べない!

 

店長イチオシのビリヤーニー

インド料理に舌鼓を打つ早稲田の学生@ゾムキー・レストラン

 

 

例えば、パロのパロ・ダバ・レストラン(Paro Dhaba Restaurant & Bar)。ジワリン(Zhiwa Ling)※4という五つ星ホテルのオーナーが立ち上げた新しいインド料理屋さんで、洗練されたおしゃれ空間の中でおしゃれカレーを味わうことができる穴場です。場所はパロ・チュ(川)沿いのサツァム・チョルテン(仏塔)近く、というかジワリン・ヘリテージの近くで、開店は11時から21時まで。お値段は他より少々高めですが、美味しすぎる料理にリピーター続出。「インド・ブータン・コンボ」なる、バター・ナンとエマダツィのハイブリッドなセットもあります。

 

パロ・ダバ・レストラン外観

 

 

お店のブローシャーも洗練されています

 

 

野菜カレー

 

 

インド料理に舌鼓を打つ早稲田の学生@パロ・ダバ・レストラン

 

首都ティンプーには有名店が何軒もありますが、特に名前を挙げたいのはホテル・サイプレス(Hotel Cypress & Bar)でしょうか。ティンプーに行ったら必ず立ち寄りたいお店、と言っても過言でないです。ブータンの国樹であるイトスギ(サイプレス)を冠する店名も素敵ですが、この小さなお店のカレーはどれも本当に絶品だと思います。鶏肉がゴロゴロ入ったチキンカレーは特に愛される逸品。毎週金曜はネパール風ターリーも提供しています。

 

ホテル・サイプレスのチキンカレー。135ヌルタム(約210円)

 

ちなみに、インドの激甘スイーツ店もブータンには広く浸透しています。こちらも奥が深そうです。

※1 https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2019/04/23/4541/
※2 https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2018/12/27/3997/
※3 https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2019/05/22/4650/
※4 https://www.zhiwaling.com/

WAVOCブータンコラム「平山雄大のブータンつれづれ(第50回)」より転載。
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2020/05/08/5375/