日本におけるブータン研究の基盤形成を目指して
Japan Institute for Bhutan Studies: JIBS

ブータン・エアラインズ搭乗記

平山雄大さんにインタビュー

前号までブータンの教育について連載してくださった平山雄大さんにブータン・エアラインズの感想をお聞きしました。リトアニアから借りてきた飛行機を工夫しての運航。初期の貴重な体験談をお聞きしました。

■ 直前にスケジュール変更があったとお聞きしましたが…
乗客数が少ないため(?)間引き運転をするとのことで、購入していた3月14日のバンコク=パロ便がなくなりました。出発3週間くらい前にその旨メールで連絡を受け、前日の便か翌日の便を選ぶことになり、翌日の3月15日の便に変更しました。ビザは3月14日から有効のものだったので、今思い返すと、そもそも前日の3月13日には入国できないはずなのですが、前日の便に変更した場合にビザの融通が利くのかどうか、細かいところは把握しておりません。

■ 機内はドゥルック・エアーと比べていかがでしたか?
ドゥルック・エアーのA319と比べブータン・エアラインズのA320は胴体が約3.73メートル長く座席も多いとのことで、確かにその通りでした。座席の幅や足元の広さはドゥルック・エアーとほとんど同じだと思います。面白かったのは、ビジネスクラス用の座席が設置されておらず、前方3列分、右3席・左3席のそれぞれ真ん中の座席に「フタ」をして、2席・2席とした部分(=全12席)をビジネスとしていた点です。この応急処置(?)は、わざわざビジネスを予約されたかたには不評だったかもしれません(ちなみに4月に導入される新しい機体には、ちゃんとビジネス用の座席が設置されているそうです)。

■ サービスは?
食事は可もなく不可もなくという感じでしょうか。往路バンコクを飛び立ってすぐに出されたサンドイッチが美味しかったので、「あと2つください」と欲張りなお願いをしたら、こっそり用意してくださったのが嬉しかったです。機材はバルト三国のひとつ、リトアニアのスモール・プラネット航空から借りたもので、ところどころリトアニア語表記のまま。クルーも同時に派遣されてきており、行きも帰りもリトアニア人2名、ブータン人1名という組み合わせでした(リトアニア人クルーは普通の洋服、ブータン人クルーはキラ姿)。クルーは常時丁寧な対応を心がけていたように思います。

■ 期待される「良い競争」
機内誌のタイトルは「クズザンポーラ」。ブータンの女性向けおしゃれ雑誌『YEEWONG』のスタッフが製作に携わっているとのことで、なかなかファッショナブルな仕上がりになっています。2013年10月の就航時に創刊され、3月下旬に第2号が出されました。航空券の料金は季節によって変動しますが、ドゥルック・エアーよりも安めに設定しキャンペーンにも力を入れているようです。今回の私の航空券は往復で732US$(税・燃油サーチャージ代込み)でした。今後継続して飛び続け、ドゥルック・エアーと良い「競争」を展開してほしいと思います。

<データ>
ブータン・エアラインズ
機材A319型機
座席数122席(ビジネス8、プレミアムエコノミー36、エコノミー78)
現在パロ~カルカッタ~バンコクを1日1便毎日往復。6月からカトマンズへ就航予定。

※ヤクランド『ヤクランド通信』第59号、2頁より転載。