日本におけるブータン研究の基盤形成を目指して
Japan Institute for Bhutan Studies: JIBS

ブータンを何度も訪れる、その訳は

2000年7月から9月にかけて、初の海外旅行先のインドで熱気に揉まれていた最中、デリーのチャナキャプリ地区でブータン大使館の前を偶然通り過ぎ、ブータン王国という国の存在が、自身の中で現実味を帯びたものとして浮かび上がってきました。「一度行ってみたい」その想いが抑えきれなくなり、インドから陸路でプンツォリンを訪れたのが2004年。「早稲田にブータンに実習に行く授業(早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター提供科目「地球体験から学ぶ異文化理解」)ができる!」という噂を聞きつけ、担当の先生=坂本達さんに直談判して授業のTAを勤めはじめたのが2006年。その後3年間、TAという立場で毎年夏の実習に同行したのをきっかけに、現在は自身の研究の対象国としてブータンを設定し、ブータンの近代学校教育史を解明せんと奮闘中です。

「なぜ?」と聞かれると、「いろいろな偶然やいろいろな人との出会いが、僕をブータンに導いた」と答えるしかありませんが、この10年、僕にとってブータンは魅力的な渡航先であり続けています。

一番最近は、今年7月から8月にかけて15日間、ティンプー、ゲレフ、シェムガン、ブムタンに滞在していました。基本的に各地で昔の学校や教育事情の話を聞いて回っていたのですが、ブムタンのウォンディチョリン村では、いつも転がり込んでいる農家の爺さまから、今無性に気になっている、第2代国王治世のお話を詳しく聞くことができ有意義でした。また8月11日(日)には、毎月1回開催している「ブータン勉強会」初のティンプー開催(発表者:藤原由衣子さん、菅茜さん、西澤和子さん、於:ブータン日本語学校)を実現させることができました。発表者の皆さま、参加者の皆さま、そしてティンプー開催実現に協力してくださった青木薫さんに、この場を借りて御礼申し上げます。

また来年2月に研究調査のために渡航する予定です。そのときに、「ブータン勉強会」をまたティンプーで開催したいと目論んでいます。

平山 雄大

※日本ブータン友好協会『日本ブータン友好協会会報 ブータン』第120号、3-4頁より転載。