日本におけるブータン研究の基盤形成を目指して
Japan Institute for Bhutan Studies: JIBS
2017年度ブータン勉強会報告
日本ブータン研究所 平山 雄大
発表者・参加者共に学び合える情報交換・意見交換・相互研鑽の場の創出を目指して2013年4月より行ってきたブータン勉強会は、おかげさまで5年目を終えました。中には月3回開催(2017年5月)、月4回開催(2017年2月)と回数がかさんだ月もありましたが、原則「月1回、たまに月2回」というペースを維持して今にいたります。今年度は、昨年度と同じく全17回の開催となりました。
第68回から第71回(4月15日~5月27日)は、私が担当した早稲田大学の授業「ブータン地域研究―社会を見る目を養う―」とのコラボ企画として、授業を勉強会参加者に公開するかたちで実施しました。このコラボ企画では、山本けいこさん、伊東昭代さん、藤原整さん、田中敏裕さん、高橋洋さん、糸永正之さんといった友好協会会員の皆さま(他、元JICA青年海外協力隊・伊東瑞歩さん、前JICAブータン事務所長・朝熊由美子さん)にご発表いただきましたが、それぞれのご専門やご経験を深く掘り下げた授業は、履修した学生にとっても刺激的なものになったように思います。
第72回(6月17日)は、島根県立隠岐島前高等学校スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業「グローバル探究」の事前学習を兼ねたものとして実施しました。厳しい選考を勝ち抜いた島前高校の生徒4名は8月上旬にブータンを訪れ、自ら設定した「伝統文化の継承」という探究テーマについて第75回(9月18日)で中間報告を、第79回(12月9日)で最終報告をしてくださいました。この3回の勉強会は、相互交流を通してブータンとの繋がりが強くなってきている島根県隠岐郡海士(あま)町での開催となりました。
他にも、第73回(7月15日)は京都市にて、第76回(9月23日)は札幌市にて、第77回(10月15日)は大分市にて開催し、元サッカーブータン代表監督・松山博明さんや元JICAシニア海外ボランティア・齋藤邦夫さん、立命館アジア太平洋大学の学生・石内良季さん(友好協会会員)から貴重なお話を伺いました。さらに、パロで開催した第74回(8月28日)及び第83回(3月1日)、ティンプーで開催した第84回(3月4日)では、大橋和也さん、森泰紀さん、木邑優子さん、沖哲郎さん(友好協会会員)といった現役の実務家の皆さまにご発表いただき、活発な質疑応答・意見交換が行われました。
東京では、上記のコラボ企画以外に第78回(11月24日)、第80回(12月17日)、第81回(1月13日)、第82回(2月17日)を開催しましたが、実は、地方での開催が増えた結果、昨年度からは東京での開催数は全体の半数以下となっております。そのことに対する不満の声を頂戴することも稀にあり課題となっておりますが、本勉強会はうまくバランスを取りながら、今後も開催希望があればフットワーク軽やかにどこにでも赴くスタイルを貫きたいと、私は考えております。
発表者の皆さま、そして参加者の皆さま(今年度も多くの友好協会会員のかたが関わってくださいました)に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。2018年度も、勉強会は研究者、実務家、ブータンのプロと呼んでも差し支えないだろう大先輩の皆さま、ブータン初心者の中高生や大学生等、バックグラウンドを異にしつつも「ブータン」というキーワードで繋がった方々が、共に学び合える場として機能させていきます。毎回の勉強会の開催案内や報告は、日本ブータン研究所のウェブサイトにてご確認ください。
日本ブータン研究所ウェブサイト
http://www.bhutanstudies.net/
※日本ブータン友好協会『日本ブータン友好協会会報 ブータン』第138号、5頁より転載。