日本におけるブータン研究の基盤形成を目指して
Japan Institute for Bhutan Studies: JIBS

日本ブータン学会設立

平山 雄大

2011年より、ブータンをフィールドに研究を行っている若手研究者や大学院生が日頃の研究成果を披露し意見交換を行う場として、毎年5月に「日本ブータン研究会」を開催してきました(事務局:須藤伸・平山、2013年からは日本ブータン研究所が主催)。今後も継続的に研究会として実施していくという道も検討しましたが、このたび、ブータンを対象とする学術的研究のさらなる発展及び普及を目標に、より多くの皆さまのお力をお借りし「日本ブータン学会」を設立することになりました。

アジ・ケサンの87回目のお誕生日である2017年5月21日(日)、早稲田大学にて日本ブータン学会第1回大会及び設立総会が開催されました。研究大会は、3本の発表(各30分)+全体討議(1時間)が午前と午後に1セッションずつ行われ、63名の参加者のもとで活発な質疑応答が展開されました。発表タイトルと発表者は以下の通りです。

  • 「ブータンの情報社会―新しい情報社会論構築に向けて―」藤原 整(早稲田大学)
  • 「ブータン仏教とそのルーツ―ドゥク派開祖ツァンパギャレー(1161-1211)を中心に―」熊谷 誠慈(京都大学)
  • 「オレカ語の言語的特徴について」西田 文信(東北大学)
  • 「日本で暮らすブータン人技能実習生の生活に関する人類学的研究」栗田 陽子(東北大学大学院・院生)
  • 「20世紀前半のブータン人と近代教育―シッキム政務官報告書の分析を中心に―」平山 雄大(早稲田大学)
  • 「「死の谷プナカ」の謎―土地行政の観点から見るブータンの政治―」月原 敏博(福井大学)

設立総会では会則、役員、事業計画、収支予算の承認が行われ、栗田靖之会長(国立民族学博物館名誉教授)のもとで運営を行っていくかたちが整いました。学会事務局は早稲田大学の私の研究室内に置かれ、当面は私が雑務を担当いたします。今後、学会誌の発行や研究大会の開催等を通して、ブータン研究のプラットフォームとしての役割を果たしていく所存です。ご指導・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。入会案内や各種情報は、近日開設予定のウェブサイトに掲載いたしますので、お時間よろしいときにご確認ください。

※日本ブータン学会ウェブサイト(近日開設予定)
http://www.bhutanstudies.org/

※日本ブータン友好協会『日本ブータン友好協会会報 ブータン』第135号、3頁より転載。