
日本におけるブータン研究の基盤形成を目指して
Japan Institute for Bhutan Studies: JIBS
ジグミ・Y・ティンレイ元首相の来日
日本ブータン友好協会事務局長 平山 雄大
2025年3月6日(木)午後、その前日に東京の三田共用会議所で開催された「協力とパートナーシップのための水と災害に関する国際シンポジウム」(International Symposium on Water and Disaster for Cooperation and Partnerships)(国際連合地域開発センター、国土交通省、政策研究大学院大学、水と災害に関するハイレベルパネル共催)へ出席するために来日されていたジグミ・Y・ティンレイ元首相を、滞在先の都内のホテルに訪ねました。
元首相はご存じの通り「GNH発信の立役者」で、ブータンの国家開発哲学GNHが国際的に認知されるきっかけのひとつを作られたかたです。特に、閣僚会議議長(Chairman of the Council of Ministers)時代の1998年にソウルで開催された会議にて元首相が行った基調講演「Values and Development:“Gross National Happiness”」は大きなインパクトを残しました。民主化後の初代首相として2009年に来日された際には、六本木の国際文化会館にて友好協会主催の歓迎会が開かれました。
その後いろいろあり、ブータン国内では難しい立場に置かれていらっしゃいますが、10年ぶりにお会いした元首相は変わらずお元気で、同席した国際開発ジャーナル社の記者の方々の質問にも、ユーモアを交えて回答されていらっしゃいました。
各国の駐日大使、国際機関、大学、自治体の代表者ら27ヵ国から約150名が参加した上記のシンポジウムで、元首相はスロベニアの元大統領ダニーロ・トュルク氏、インドネシアの前外相で国連事務総長水特使でもあるルトノ・マルスディ氏とともに基調講演を行い、気候変動や災害がもたらすリスクに対して、国境を越えた協力の必要性を訴えられたとのことです。
※日本ブータン友好協会『日本ブータン友好協会会報 ブータン』第166号、10-11頁より転載。